ブックタイトルtakenakadaikudougukan-news_Vol41

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概要

takenakadaikudougukan-news_Vol41

FEATUREのですが…。斗?は宮殿や宗教建築を象徴するため考案された特別なものではないかとずっと以前から考えているのですが…分かりません(笑)。斗と肘木はパーツが多いのですが、どのように組まれているのでしょうか。まず柱の上に斗の中で一番大きい斗(大だいと斗という)を置きます。その上に肘木を十字に組んで、肘木の上に斗、またその上に肘木と、どんどん積み重ねていきます。斗?は屋根の荷重を受けて柱に伝える構造材でもあるので、斗と肘木を釘で留めることはしません。釘、昔は鉄釘ですね。鉄は湿気に弱く、錆びると膨張して木を割ってしまう恐れがあります。小さい斗はなおさらです。肘木の上に斗をのせますが、斗と肘木の双方に小さな穴を穿うがち、木の太だぼ?でつないで固定させるのです。斗?だけではなく、軸組で荷重が大きくかかる部分も釘で留めないのが鉄則です。釘、釘とよく皆さんいいますが、昔は、釘自体貴重なものでしたので、そうやたらに使っていません(苦笑)。日本の寺院建築はヒノキを好んで使っていますが、組物もヒノキで作っているのでしょうか。日本の社寺建築は確かにヒノキを好んで使っています。しかし、荷重が集中する部分には、圧縮に強いケヤキを使う場合も多いです。柱でも隅の柱は他の柱より荷重が多くかかるので、ケヤキの場合がよくあります。ヒノキによる斗?でも、荷重が全部集中する柱の上にある大斗はケヤキで作る場合があります。唐招提寺金堂、薬師寺東塔(730年)の大斗にもケヤキを使っています。當たいまでら麻寺西塔(平安前期)は、柱もケヤキ、斗と肘木もすべてケヤキでつくられています。古代から木の性質をよく知っていたわけです。また木材が上下で重なる時は、下の部材と上の部材の木目の方向、つまり木の繊維の方向は必ず替えて、直行させます。斗?の場合、肘木は部材が長いので、木こぐち口面が先端になります。木口面というのは、木を横に切った切断面のことで、木の繊維方向と直角に切った面、そうですね、わかりやすくいうと木の年輪がみえる面です。長い部材は当然繊維方向が長手方向になりますでしょ。肘木も部材が長いので、両先端が木口になる(笑)。肘木の正面の木目が繊維方向の場合はその上の斗は木口斗、前に延びる肘木(手先肘木)の上の斗は正面から見て側面が木口になるのが古代建築の特徴といって良いでしょう。上下の部材の繊維方向を直角させることで、井桁のようにしっかり荷重を受けることができる。後の時代の斗は木口面が側面側になります。構造面を考えず、見栄えを優先するようになったのでしょう。元和歌山県文化財センターの鳴海さんに教えてもらいました(苦笑)。中国が源流の寺院建築は韓国・日本に伝わり、各国の風土や風習によって変化していきます。組物の場合、どのような変化が見られるのでしょうか。まず構造的な面からみると、日本が中国や韓国と大き中国の組物(陳太慰宮)4