ブックタイトルtakenakadaikudougukan-news_Vol40

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概要

takenakadaikudougukan-news_Vol40

大分県佐伯市本ほんじょう匠には直径18m(60尺)を誇る大水車があります。1993年に地域のシンボルとして建設されましたが、2017年9月、台風18号で大きな被害を受けました。今回この復旧工事を行ったのが、25年前にこの水車を建設した水車大工・野の瀬せ秀ひで拓ひろさんです。かつて水車は庶民が使える唯一の動力で、それにより精米や製粉などの労力を大きく軽減することができました。それらの機構一式を作る水車大工には、水のエネルギーを効率よく利用するための様々なノウハウが蓄積されています。今回は野瀬さんからのお話をもとに、本匠の水車の修復過程を通して、そうした水車の作り方の一端をご紹介したいと思います。材料の確保水車の水みず輪わ は、シャフトとなる軸、スポーク部分の「日ひ の脚あし」、円弧を形作る「輪わいた板」、水を受ける「羽は根ね板いた」「底板」「裏板」などから成ります。今回はどの部分を修理されたのですか。水受け部分の輪板、羽根板、裏板は全て取替えることとなりました。しかし日の脚は、流木により折れた部分を除いて再利用することができました。普通は20年くらいで作りかえるんですが、この水車の部材は今でも釘がすごく効きました。材種は杉です。25年経っていても今の木よりも堅いぐらいで、普通では考えられないことですね。よっぽど木が良かったんですね。今度のも同じ杉で修理することになりますから、木を探すのが大変でした。九州の水車は多くが杉で作られます。一見杉よりもヒノキの方が腐朽しにくいように思えるかも知れませんが、ヒノキFEATURE本匠水車の建設(1993年)日の脚羽根板輪板底板裏板水車の部材名水車大工W A T E R M I L L C A R P E N T E R2