ブックタイトルtakenakadaikudougukan-news_Vol39
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1868年(慶応3年)の神戸開港より150年の年月がたちますが、西欧文化の窓口になった神戸にはいち早く洋風ハイカラ文化が根付く土壌ができて行きました。1897年(明治30年)には神戸?ふう月げつどう堂が開業しましたが、“バター臭い”洋菓子は、まだまだ日本人の舌になじまず、買うのは神戸在住の西欧人で、彼らの特別注文に応えることで商売を続けたようです。本格的な洋菓子時代の幕開けとなったのは大正時代になってからで、そのきっかけには、神戸に移り住んだ外国人による洋菓子店の創業がありました。1923年にはロシア人のマカロフ・ゴンチャロフが北野にチョコレート店を、ドイツ人のエリーゼ・ユーハイムが三宮に「ユーハイム」を、さらに1926年にはロシア人のフョードル・ドミートリエビチ・モロゾフが三宮・トアロードに「モロゾフ洋菓子店」を開店し、神戸の洋菓子の名を世に知らしめました。このような伝統を受け継いだ神戸の洋菓子は、戦後の高度成長期に合わせて発展し、1960年?1970年代には「エーデルワイス」「モンブラン」「アンリ・シャルパンティエ」「ボック」など本格的な洋菓子専門店が続々と登場しました。その後もそれらの店や一流ホテルで修業した職人が独立して開業し、「レーブドゥシェフ」「パティシエ エス コヤマ」「リッチフィールド」など、他府県を圧倒する多さになりました。それぞれの店が、自信のある腕前を十分に発揮しようと意気込み、日々切せっさたくま磋琢磨をしていますが、技術力だけではなく、良い原材料と共に、美味しいお菓子を作るためには良い道具が必要になります。良い職人ほど道具を大切にするのは、大工の世界だけではなく、洋菓子職人(パティシエ)の世界も同じです。そして一番忘れてはならないのは「道具には命がある」という事。一作品が美味しくそして美しく作れるように、と鎚ついき起職人達が、木彫り職人達が、金・銀細工師達が精魂こめて道具を作る。道具一つ一つに魂は宿り、その道具で私達パティシエがお菓子を作るのです。最近では、電動機器やオートメーション機器まで導入している店もありますが、基本はやはり「手作り・手作業」です。そして、そのルーツは近世ヨーロッパにまでおよびます。この年末、12月15日?2019年1月27日までの1か月半、「エーデルワイス」様が創業以来長年にわたり収集されてきたヨーロッパの伝統的な製菓・製パン器具、美術品等約5千点、古書約650冊から、選りすぐりの品を選び竹中大工道具館とのコラボで企画展を開催されるとの事。今ではヨーロッパでもあまり残っていない、こうした道具類で洋菓子文化を伝えることは、洋菓子ファンのみならず、「道具に秘められた美意識」を感じることが出来る場になるものと確信いたしております。実演・体験も交え、ぜひともお楽しみください。神戸×洋菓子一般社団法人 兵庫県洋菓子協会 会長福原敏晃Sweetsビスケット木型(エーデルワイス蔵) ビスケット缶(エーデルワイス蔵)洋菓子の道具たち ─ 型の魅力と文化をめぐる ─( 仮)日時 12月15日(土)~2019年1月27日(日)会場 竹中大工道具館1Fホール予 定FEATURE9