ブックタイトルtakenakadaikudougukan-news_Vol39

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概要

takenakadaikudougukan-news_Vol39

肥後守雑感(昭和30年代の振出小刀の総称として“肥後守”を使用)鉛筆を削る、竹トンボにはじまる各種の玩具を作る、当時の子ども達にとって“肥ひごのかみ後守”は宝物であると同時に必需品でした。数ある“肥後守”の中には、刃と同時に長さが5cmほどの鋸がついているものがあり、これを使えばかなりの工作ができたものです。こんな経験を重ねる中で、刃物の使い方、木の性質、小さな怪我への対応等々を経験則として身につけてきました。この道具を見ると郷愁に駆られる方も多いと思います。翻って今の子ども達はと見れば、刃物を使う機会が余りにも乏しく、使い方も教えられていない。これで良いのか日本の物作り、こんなところへと思いは飛躍します。電気仕掛け、無線操縦、ボタンを押すだけといった表面は見えても中の構造は見えない玩具や、具体的な形でなく映像に慣れ親しんだ現代っ子達、動力も操作も人間の力という単純な玩具は彼等にどの様に写り、どの様な反応を見せくれたのでしょうか。結論から言えば我々の想像以上に単純な玩具作りに没頭し、楽しみ、笑顔を見せ、歓声をあげてくれたのでした。黙々と工作に没頭して完成させたオンリーワンの玩具は、作者である子どもにとっての宝であり、その完成は大きな自信に繋がり、物作りの楽しさの一端を知ってくれたものと思います。そしてこの経験が将来何かの糧かてになることがあるとすれば、大変喜ばしく思います。他方大人の反応は、おおいに「郷愁」を掻き立てられたようです。コマ、竹馬、ゴム鉄砲等々、子どもに交じって遊ぶ姿が多く見られました。特に竹馬が数回の修繕を余儀なくされた原因の一つは大人の使用でした。大柄な外国人男性が竹馬に乗ろうとした時には、さすがに慌てて止めた次第です。余談ながら、外国人が遊びに加わる風景が多くみられました。多分玩具には共通している要素があると同時に、国の内外で道具館の知名度が高まっている証左であろうと喜んでいます。最後にボランティアから?物を作る楽しさは、老若男女年を問わず、国境すらも超える。?自分で作って遊ぶことは、想像を形にすること、技能や創造力の涵かんよう養に大いに役に立つ。今回のような体験は子ども達の心に長く記憶として残るであろうことを期待したい。?今後また機会があれば、その時は可能な限り子ども達の手で作らせる部分を増やしたい。他方、二律背反であるが短時間で仕上げる工夫も又必要であろう。?昔の玩具(=伝統)と今の子どもを如何につなぐか、その役割の一端でも担いたい。?小さな木片を与えるといつの間にか形になる、子どもの創造力は凄い。?ジジ力(自自力、爺力???)小学校低学年の女の子がコマに挑戦、ボランティアによる熱血指導のもと頑張ること30分。自力で回せるようになった時の笑顔は素晴らしかった。思わず「見たかジジリョク(爺力)」、当館の爺ボランティアは、健在にして意気軒高です。7